小説 スペースシザース【ss】#16
沢山の道具セットがある中で、1番高い物は13万円だと!?
ちょっと高過ぎるな。この3万5000円のセットはどうだろ。
使う道具はしっかり揃ってるし、見た目もカッコイイ。
アレコレ目移りしていると両親がブラブラしているのが見えた。
俺「おーい。母さんコッチ来てよ。」
俺「こんなに沢山有るから迷っちゃうよね。それでもこの3万5000円のセットなんてどうかな。色も良いし、セットとしても十分だと思うんだけど。」
母「これでしっかり仕事出来るなら良いんじゃない?お父さん。」
父「そうか?俺はコッチの1万円のセットも良いと思うんだけど。」
母「良い物をキチンと使うのが良いんじゃないの。お父さんのお酒は少し我慢して貰いますからね!」
父「バレたか!参ったな。母さんには敵わないな。分かったよ。そっちの3万5000円の奴にしようか。徹もそれが良いんだろ?」
俺「やったー!父さんのお酒は俺が稼いだら沢山飲ませてあげるから!母さんもありがとう。」
母「これでしっかり仕事出来るわね。お母さん嬉しいのよ。徹がちゃんと社会人としてこれからやって行く事が。一時期は悪さばっかりしてお母さんは…」
俺「すまなかったよ母さん。迷惑掛けた分はコレからちゃんと返して行くからさ。ホントに悪かったよ。」
母「うっ………うっ」
母さんが涙ぐんでいる。
俺も覚悟決めてしっかりしないとな。
ホントに馬鹿ばっかりやってきたけど、そんな俺でも見捨てず支えてくれた親に恩返ししないとな。