パチプロ兼ホスト時代のおバカなお話#55
時計を見ると夜の21:30だった。
マリサさんに電話を折り返そう。
ありのままの状況と気持ちを話したら、マリサさんはきっと分かってくれる思う。
マリサさんの人間性は、前回の絡みで理解したつもりだ。
一方的に押し付ける事は絶対にしないし、相手の状況を理解して、想像力を巡らせてくれる筈だ。
俺はササッと出掛ける準備をして携帯を手に取り、マリサさんの鬼電への返信の電話を掛けた。
俺「すみません。色々有り過ぎて考えながらベットに横になってたら、いつの間にか寝ちゃってました。」
「さっき起きてすぐに出れますので、どこに行けば良いですか?」
マリサ「……分かったわ。そしたらトオル君何も食べて無いでしょ?店からちょっと歩いた〇〇居酒屋に20分後にね。」
俺「分かりましたすぐに出ます。ありがとう御座います。」
奇しくもアミちゃんの相方、友美ちゃんと2人で飲んでて、店から出てすぐにマリサさんに目撃された海鮮居酒屋だ……
ソレを分かってて指定してたのか分からないけど、店外って事は指名の延長みたいなもんだ。
腹も減ってるし、ありがたい事には変わり無い。
粗相続きなので、待たせる訳には行かないと思い、急いで家を出ようとした。
しかし俺は家を出る直前で、前回のマリサさんの俺に対する不満点を思い出した。
実はソレが頭に有ったので、スーツをクリーニングに出す前に白から貰った残り少ない魔法の薬を、目に見える様にテーブルに置いといたんだ。
その薬をポケットに突っ込み、そそくさと家を出た。
ちょっと急ぎ足で歩いてたら、また電話が鳴ったんだ。
またマリサさんか?!
今向かってるのに。何だろう?
携帯の着信名を見たらなんとマサヤからだった。
マサヤ「今どこだ?」
歯が折れて軽い手術をし、麻酔が聴いてるのか、はっきり聞き取れない感じで、もつれた様な話し方だ。
マサヤ「もうすぐ釈放されるところだ。迎えに来てくれ。」
なんと、又もや二者択一の展開に。
もうこれ以上マリサさんを裏切れ無いと判断した俺は、アミちゃんに頼もうとマサヤにちょっと待つ様にお願いした。
そしてアミちゃんに電話したんだけど、5コール程しても出ないので、もう一度5コール位してやっと出たのは何と……
謎の人物「なんだお前?」
また次回❢