小説 スペースシザース【ss】#15
親父「今日は松岡屋にでも行くか。あそこなら五階に大きなクラフトショップも有るし、なんたって十兵衛の寿司屋が有るからな。あそこのウニがたまらないんだよ。なぁ?母さん。」
母「そうね。私は〆鯖が好きかしら」
はい、出ましたー。
今鯖食っとるっちゅーねん!もう慣れたから突っ込むのも面倒くさいわ!
俺はそう思いながらヤレヤレ顔で話を進める。
俺「ゆっくり本も見たいからさ、早めに行こうよ。」
親父「徹。ビニ本なんて買うなよ?」
母「まぁお父さんったら。今時ビニールで包んで有る本なんて有るの?テープで止めてあるだけじゃないかしら。」
親父「そうかそうか。ワハハ」
俺「……はいはい」
俺「それじゃあ10:30位に出発で良いかな。」
母「分かったわ。じゃあそれまで花壇でも手入れしましょ。」
俺「ごちそうさま。美味しかったよ。」
そう言って茶碗とお皿を片付けて、部屋に戻る。
そうだな。ゲームも欲しいし、服も欲しいな。少しお金を多めに持って行こう。
俺は学校の近くの、結構本格的な喫茶店で週3でバイトをしている。
給料は安いけど、来るお客さんが1癖も2癖も有る人が多くて楽しいんだ。
以前、スタイリストの人が来て服を褒めて貰ったっけ。嬉しかったなぁ。