小説 スペースシザース【ss】#11
寝て起きたら朝の6時だった。
昨夜は余りに楽しくて、すき焼きを腹一杯食べ過ぎたせいか、ベットに横になったら少しゴロゴロして直ぐに寝てしまったらしい。
風呂も入らず寝ちまったから、シャワーでも入ろうか。
無人の兄貴の部屋を横目に若干の思いを馳せつつ、階段をスタスタ降りて行くと両親はまだ起きていないらしいく、静かなリビングの横の風呂場に入った。
俺は、朝に45度位の熱いシャワーをバシャーっと短時間で浴びるのが大好きなのだ。
熱くて細胞が一気に目覚めて、少し身体をバダバタさせる、この感覚がたまらない。
自分の血が巡り回って、大袈裟に言うと生きてる感じをこの瞬間に再認識しているのだ。
ひと通り身体を清めて風呂から出たら、リビングからニュースの音が聞こえる。
母さんが起きてきた様だ。
リビングの扉をそっと開き、頭をバスタオルでワシャワシャしながら、母さんに朝の挨拶を。
俺 「おはよ。朝飯なに?」
母 「うーん。お昼はお寿司ってお父さんが言ってたわね。じゃあ鯖でも焼きましょうかしら。」
俺 「…オッケー。上居るから出来たら呼んで」
寿司だから鯖を焼く?訳分からん。
父さんも良くあの母さんとやって行けてるよな。
優しくて穏やかだから害は無いんだけど、なんて言うかペースがおかしい。
肝っ玉かーちゃんよりは良いかもしれないけど、パズルが噛み合わない感じが何とも言い難い。