パチプロ兼ホスト時代のおバカなお話#44
タクシー内のマリサさんと遠目に目が合うが、ココからは怒っているのかどうか、表情が良く見えない。
俺は姫に動揺を悟られまいと、必死に何も無かった感を出して、とにかくその場を早めに後にした。
後から何を言われるだろう……。
少しの恐怖感を覚えつつも、【仕方無かったんだ】と言う感情を自分に押し付け、ひとまず気持ちをやり過ごした。
20分程歩いて、アミちゃんのショップ近くの大衆焼き鳥居酒屋に到着し、連絡すると直ぐにアミちゃんが現れた。
アミちゃんは、「日勤からの棚卸しでヘトヘトだよー!」って、話してみると以外と元気だった。
ひとまず棚卸しは済んだから、一緒に飲もうって居酒屋に入ったんだ。
まずアミちゃんの仕事は、裏原のセンス良い系のショップの店員なんだけど、小物とか色の掛け合わせとかのセンスでオシャレを楽しむスタイルのお店なんだって。
ちなみにその頃はギャル系が大流行してて、コギャルやらガングロやら沢山のギャルが存在してた。
そんな話しから入って、昨日のカラオケでのバカみたいな罰ゲームの話しで盛り上がって、いよいよマサヤの話に。
俺はとりあえず単刀直入に聞いてみた。
俺「アミちゃんはマサヤが好きなの?」
アミ「うーん。最初は好きとかは無かったんだけど、とにかく可愛いとかセンス良いとか、髪型が似合うとか、褒めてくれるのが嬉しくてさ。それを求める体になっちゃったんだよね。」
「そこから好きになったのかなぁ。自分でも分からないけど、なんか人に求められるから生きて行けるみたいな感じかな。」
「褒められたり、求められ無いとなんの為に生きてるのか分からなくなっちゃってさ。だからマサヤが生きてて良いって言ってくれるから生きてられるって感じ?ヤバいよね…」
うーん。
根が深い問題だ………。
言ってる事は分からなく無いし、危険域に入ってる自覚も有る。
しかし、それにしても対価が高すぎる。
どう聞いて、どう話せば事態が好転するのか…
また次回…