パチプロ兼ホスト時代のおバカなお話#17
白に背中をバン!と叩かれて勢い良く事務所を飛び出した。
店に出るとアキラが横目に見えたけど、相変わらず拭き掃除してたな。
階段を駆け上がって、マリサさんと手を繋いで、歩いて5分位で結構渋めのBARに着いた。
俺は酒は好きだけど、もっぱら居酒屋か宅飲みがメインなんで、BARで飲んだ事は何回かしか無かったんだ。
マリサさんは結構テンションが高くてさ、BARに入って直ぐに【ウェーイ!】みたいなノリだったんだ。
マスターは30位の顎髭が似合うかっこいい人だった。
マリサさんの友達らしく、マリちゃん今日は随分と飲んでるね。酔っ払い過ぎて彼に引かれない様に気をつけないとな?
みたいな事を言ってたな。
多分何人もの男を連れ込んでは、品定めしてるんだろうなってのが分かったよ。
まぁそんな事はどうでも良い。俺は満足させる為にここに居るんだ。
俺はピーチ烏龍【レゲエパンチ】【更に通称レゲパン】が好きだったからソレを頼み、マリサさんはウォッカライム【通称神風。30度位のめっちゃ強い酒】を頼んだ。
店から開放されて俺もリラックスして楽しく飲んでたら、好きな異性のタイプの話になったんだ。
マリサさんは仕事が仕事だけに、男を見る目が養われているんだと思う。
お金持ってそうなお硬い職業の男は変態が多いとか、見た目がイカツイ人程優しいとか、ブサイクな人程ナルシストだとか、人間の色んな真実を教えてくれたよ。
そんな流れで俺の好みの女性のタイプを聞かれて、ちょっと困ったんだ。
仕事上の目線で答えるか、本心で答えるか。
待て待て、ココは仕事の延長戦だ。白にも絶対満足させて来いって言われたんだ。
世の中では嘘はついちゃ行けないって定説が有るけど、良い嘘はついても良いって誰かが言ってた。
女の子はお世辞でも可愛いねって言われたら絶対嬉しいでしょ?
男も、嘘でも頼りになるねって言われたら嬉しいんだ。
こんな本音と建前の真実を、まざまざと味わったのもこの時期だ。
だから俺は少し恥じらいを込めてこう言ったのさ。
俺「マリサさん。俺のど真ん中で可愛くて物凄くタイプです。。」
また次回。。