パチプロ兼ホスト時代のおバカなお話#58
マリサ「白は、マサヤが飛ぶのを恐れてアミの情報が伝わる前に確保しに行ったのよ。」
俺「マサヤが飛ぶ?ですか?」
マリサ「この業界なら良く有る事なのよ。女の子の売掛の取りっパグれは、指名ホストが自腹で立て替える事になるから、有る程度まとまった売掛が有る女の子が飛ぶと、その指名ホストも飛ぶって訳。」
俺「なるほど。だから白はすぐさまマサヤの元に向かったんですね。」
確かアミちゃんの売掛は20万ちょいだったはず。
コレは高額なんだろうか?
その時の俺には良く分からなかった。
大人の社会は怖いもんだ。
俺「ソレは分かったんですが、アミちゃんの携帯に出た謎の男は何者なんでしょうか?」
マリサ「あぁ。多分その男は同業者ね。1店舗で作る売掛も限度が有るから、作る子は複数店で売掛を作っちゃってる事が結構有るよね。」
「まぁ半年預かるって言われてる位だから、3桁は軽く行ってたんじゃ無いかしら。」
なるほど。アミちゃんは別店舗で売掛を焦げ付かせて、うちの店で飲んでたのか。
多分その事は相方の友美ちゃんにも言ってなかったんだろうな。
この後アミちゃんがどうなるかは何となく想像付くけど、やっぱりこのホストクラブのシステムは問題が有る様に思う。
まぁズブズブ沼にハマって、お金を使い続ける人が悪いって建前が有るので、自己責任では有ると思うのだが。
マリサ「まぁ白ならマサヤからキッチリ回収するんじゃ無いかしら。あの人はやる事が早いからね!」
俺は勤めてた電気工事会社が潰れて、社会人経験が浅い状態でホスト業界に入ったから、世の中の汚い部分をあまり見て来なかったんだ。
白は喧嘩にも全く動じなかったし、ショウは女の子は幾らでも風俗に送り込んで、金を稼がせれば良いって本気で言ってたし、マリサさんは淡々と社会の裏の部分を説明してくれる。
俺はこの短期間で、人間の欲望が乱れまくるこの世界を直視してしまって、気持ちが滅入ってしまった。
また次回……