パチプロ兼ホスト時代のおバカなお話#6
その2人組の初回荒らしは、ホストをイジって遊ぶ位だから、相当慣れている子達だ。
それでも俺はコミュニケーション力に少し自信は有ったし、キャバクラにも何度か行ってるから、大丈夫。やれる!
ホール回しに連れられ、初めての接客へ…
アキラがテーブルから引っペがされ、ホール回しから新人って紹介されて、初めてのテーブルに付いた。
俺は若さも有り、ヘアメイクもしたから結構イキってたんだ。
今思えばめちゃめちゃキモいんだけど、新人だからってナメられたくなくてさ。
俺「新人のトオルでーす。いや、渡辺トオル側のトオルじゃなくて、風間トオル側のトオルです!」
と、ウケる訳も無い掴みギャグをカマして、本人としては絞り出した1発だったんだ。
案の定先輩と女の子2人もポカーンとしてた。
3秒程時が止まって、ソレから女の子の1人がボソッと言ったんだ。
荒らしA「つまんなっ」
俺はメンタルは強く無いんだ。
散々イジられゴミ扱いされて、先輩ホストもイジる事で救ってくれるみたいな感じだったんだけど、唯一輝く場面が有ったんだ。
俺は東北出身で、親父が酒豪だったせいで、高校時代からめちゃめちゃ酒を飲んでたんだ。
ホストの大事な要素の1つに酒が強いって事が有るんだ。
イジられゴミ扱いされても、何とか盛り上げようと思い、シャンパンを一気飲みしようとすると、
コール(はやし立てるマイクパフォーマンス)が入って、女の子も先輩ホストもめちゃめちゃ盛り上がって、テーブルも店の雰囲気も上がるから、コレだって道が見えた気がしてんだ。
そんなところに近道か、まわり道の分岐が有ったんだ。
続く…