小説 スペースシザース【ss】#20
社会人編
母「徹!今日は早めに起きなさいよー!色々支度有るでしょ!」
下から母さんの大きな声が聞こえる。
俺「• • •うん。」
母「起きてるのー?分かった!?」
俺「うーん!!今起きるよ!!」
朝の6:30。眠い目を擦り、階段を降りてフラフラと洗面所へ向かっていく。
冷たい水で顔を洗って一気に目が覚める。
気分的には悪くない。頭が切り替わって少し興奮しているのが分かる。
今日から社会人なんだな。俺は希望の会社に入ったんだ。宏美は道が決まらず藻掻いているのに。
頑張らないとな。良し。たっぷり朝ごはんを食べて、満員電車をやり過ごす体力を補わなきゃな。
リビングに行くと父も起きていて、もう朝食が並んでいる。
母「初日から遅刻なんて絶対駄目ですからね。20分前には会社に着く様に出なさいね。」
父「大丈夫だよな徹。お前は最近しっかりして来たからな。」
俺「勿論だよ父さん。スーツも持っていく物も全部昨日から準備してあるから、ご飯食べたら直ぐ出れるよ。」
母「それなら良いけど、お母さん心配で。革靴も磨いて行くのよ。オシャレは足元からって言うじゃない。」
俺「あ!それは忘れてた!ありがとう母さん助かったよ。食べたら直ぐ磨くよ。」
母さんはとぼけてる所が有るけど、やっぱり大人なんだな。危なく初日から印象悪くなる所だったよ。