小説 スペースシザース【ss】#7
翌週になり、ポストに封筒が届いていた。
第一希望のデザイン会社からの、合否通知だ。
心臓が鼓動を早め、血が早く巡るのが自分でも分った。
封筒を大事に抱え、そそくさと部屋に持って行った。
よく切れるハサミで、丁寧に開封し、中をチラッと見たけど、何やら赤い文字が見える。
※合格。内定とさせて頂きます。※
キター!!早く母さんに見せよう!!
ドタバタと階段を降り、一瞬躓きそうになったが何とか持ちこたえ、リビングの扉を勢い良く開けた。
俺「かーさんかーさん!見てよ!」
母「どうしたの?そんなに慌てて。お化けでも出たの?」
俺「そんなわけねーだろ!見てよ!受かったんだよ!」
母「あら?この間のご当地検定受かったの?」
ったく。緊張感がねぇー。いつもどっかトボけてるんだよな。ウチの母さん。
そんなんだから兄貴が音信不通とか、訳分からん事になってんじゃねーのか?