小説 スペースシザース【ss】#25
三原「今日居るのは後一人だけね。あっちの奥に居るのが松本さん。ちょっと面倒くさい人だから気にしないでね。」
奥に移動すると、ハーフパンツにブーツを履いて、上はアロハと言うなんとも言い難い格好をして、しきりに舌打ちをしている人が居た。
三原「松本さん。新人の2人よ。挨拶ね。」
三原さんが下を向いている。変にオーラが有る感じで、目を合わせづらいのが一目で分かる。
松本「おはよう御座います。本日の朝ご飯は何でしたか?」
俺「…あ、え?はい!えーとえーと。」
松本「はい。分かりました。そっちの方はどうですか」
織田「はい!納豆ご飯とベーコンエッグと味噌汁です!!」
松本「素晴らしい。私はカツ丼と蕎麦でした。実に美味しかった。」
松本「お2人もキチンと朝ご飯は食べた方が良いですよ。これから宜しくお願いしますね。では。」
俺「あ、私藤崎と申します。朝ご飯はちゃんと食べて来ましたから!これから宜しくお願いします!」
織田「よ、宜しくお願いします!」
場に変な空気が流れた。なんだこの感じ。
織田さんに至っては自分の名前も言って無い。
首筋を筆でサッと撫でられた感じと言うか、足つぼマッサージの終わった後と言うか、そんな感じ。柔らかさの奥に怖さを感じる感覚。けして良いものでは無かった様に思う。
三原「じゃあ戻りましょう。」
三原さんもさっきまでの笑顔が無い。
なんなんだこの両極端な場面は。俺は妙にカツ丼が頭に浮かんで、困惑していた。